教会の暦から

聖霊降臨節(ペンテコステ)
CalendarS2024
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 イエスさまが死からよみがえられた復活祭(イースター)から50日目(今年は5月19日)が、聖霊降臨日(ペンテコステ……ギリシャ語で50番目という意味)です。

 この日、イエスの弟子たちが集まっているところに、天から聖霊せいれいが降りてきて、弟子たちは、それまで知らなかった他国の言葉で語り始めた、「五旬祭の日が来て、一同が一つになって集まっていると、突然、激しい風が吹いて来るような音が天から聞こえ、彼らが座っていた家中に響いた。そして、炎のような舌が分かれ分かれに現れ、一人一人の上にとどまった。すると、一同は聖霊に満たされ、“霊”が語らせるままに、ほかの国々の言葉で話しだした。」
新約聖書「使徒言行録」2章1節以下
と言われています。
 すでにイエスさまご自身は天に昇られ「イエスは彼らが見ているうちに天に上げられたが、雲に覆われて彼らの目から見えなくなった。」
(「使徒言行録」1章9節)
(つまり、目に見える形では地上におられなくなり)、地上には弟子たちだけが残され、しかも弟子たちはイエスさまから「全世界にわたしの教えを伝えなさい」と命じられていた「全世界に行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えなさい。……」
新約聖書「マルコによる福音書」16章15節
のですから、さぞや弟子たちは「どうしたものか」と困っていたのではないかと思います。そこに、神の力、神の働きを伝える聖霊が遣わされたことによって、弟子たちは、イエスさまの教えを伝える力を与えられたことでしょう。しかも、自分の知らない言葉で語ることさえできた、ということは、これからイエスの教えが、全世界に伝えられて行くことを象徴しているように思います。世界中にキリスト教が伝わり、教会が形作られる基になったということから、聖霊降臨日は「教会の誕生日」と言われることもあります。

 イエスさまは,神様が人間に求められる振る舞い方として「隣人を自分のように愛しなさい「先生,何をしたら,永遠の命を受け継ぐことができるでしょうか。」
イエスが,「律法には何と書いてあるか。あなたはそれをどう読んでいるか」と言われると,彼は答えた。「『心を尽くし,精神を尽くし,力を尽くし,思いを尽くして,あなたの神である主を愛しなさい,また,隣人を自分のように愛しなさい』とあります。」
イエスは言われた。「正しい答えだ。それを実行しなさい。そうすれば命が得られる。」
(ルカによる福音書10章25~28節)
」が最も重要だと語っておられます。
 「隣人を愛する」とは,「自分に余裕があるから,隣人に分けてあげる」ということではありません。それでは「自分のように」愛したとはいえないからです。自分の持ち分が減る覚悟で,隣の人に助け・与える。分け合うことです。これは,キリスト教での「罪」という言葉が,神様から離れて人間の独善で行動すること,自分中心に欲ばること,であることからすると,罪の正反対であることがわかります。
 自分の欲のために他人を責め・殺すこと――ハラスメント,権力闘争,戦争は,このような「罪」の典型です。地球温暖化など,地球規模で人間が住みづらくなっていますが,その中でも,お互いが「身を削って」でも「分け合って」,平和を創り出すことができるよう,祈りましょう。

〔一部に,ホームページ担当の一信徒の考えを書かせていただきました。〕