教会の暦から

もうすぐクリスマス―待降節(たいこうせつ)
CalendarS2024
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 キリスト教会の暦は,クリスマス(12月25日)の前の4回の日曜日から始まります。今年は,12月1日がこの最初の日曜に当たり,ここからクリスマスまでの間を「待降節」(アドベント)と呼んでいます。

 神様は,お互いに愛し合い,他の生き物やこの世のすべてのものを大切に扱って欲しいと考えて,人間を造られました。ところが,中途半端な知恵をもつ人間は,自分を大切にする余り,互いを憎み,殺し合い,地球上の生き物や環境を台無しにする罪を犯すことになります。神様は,ご自分が人間を造ったことを後悔して,人間を滅ぼそうとされたこと(たとえば,ノアの大洪水)もありますが,憐れみによって,滅ぼし尽くしはされませんでした。

 それでも罪(独善,自己中心)を犯すことを止めないのが,人間です。遂に神様は,ご自分の“子”といえる方を人間としてこの世界に送り,神様の心を人間に伝えさせることになさいました。この子が,イエス・キリストです。イエスさまが語る言葉を信じ,神様の心を受け入れる人たちは,その罪を(ゆる)そう。そう考えた神様は,イエスさまを贖罪(しょくざい=罪をあがなう)の生け贄(いけにえ)として十字架上で死なせることまで,決意されたのです。

 このように,教会にとってクリスマスは,私たちの罪の赦しのためイエスさまがこの世に送られて来た日として,喜びに満ちた日であると同時に,イエスさまが私たちの罪のため死なれたことを思い出し,悔い改めをもって過ごす時でもあるのです。

 イエスさまは,神様が人間に求められる振る舞い方として「隣人を自分のように愛しなさい「先生,何をしたら,永遠の命を受け継ぐことができるでしょうか。」
イエスが,「律法には何と書いてあるか。あなたはそれをどう読んでいるか」と言われると,彼は答えた。「『心を尽くし,精神を尽くし,力を尽くし,思いを尽くして,あなたの神である主を愛しなさい,また,隣人を自分のように愛しなさい』とあります。」
イエスは言われた。「正しい答えだ。それを実行しなさい。そうすれば命が得られる。」
(ルカによる福音書10章25~28節)
」が最も重要だと語っておられます。
 「隣人を愛する」とは,「自分に余裕があるから,隣人に分けてあげる」ということではありません。それでは「自分のように」愛したとはいえないからです。自分の持ち分が減る覚悟で,隣の人に助け・与える。分け合うことです。これは,キリスト教での「罪」という言葉が,神様から離れて人間の独善で行動すること,自分中心に欲ばること,であることからすると,罪の正反対であることがわかります。
 自分の欲のために他人を責め・殺すこと――ハラスメント,権力闘争,戦争は,このような「罪」の典型です。地球温暖化など,地球規模で人間が住みづらくなっていますが,その中でも,お互いが「身を削って」でも「分け合って」,平和を創り出すことができるよう,祈りましょう。

〔一部に,ホームページ担当の一信徒の考えを書かせていただきました。〕